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Story14 「火の都」
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スウェーデンでの生活において、キャンドルは欠かせないもの。真夏でもちょっと暗くなればキャンドルを使うし、秋、冬となれば、朝から皆キャンドルを使う。
外国人にとって不思議な光景は、朝食とキャンドルの組み合わせである。日本でもキャンドルは少しずつ浸透してきているが、ちょっとおしゃれなレストランで夕食時に使うのが普通だ。
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朝、トーストにジャムを塗りながら、キャンドルを眺めるというのは、何となく不自然な気がしてしまう。しかし、スウェーデンでキャンドルが朝から夜まで使われるのには、それなりの理由がある。11月にもなるとスウェーデンは寒く、暗くなり、本格的な冬を迎える。“寒い”のはイメージしやすいが、スウェーデンあるいは北欧の冬の独特な点は、“暗い”ことである。
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朝7時頃目が覚めると、まだ外は薄暗い。もちろんもうしばらく時間がたつと、少しずつ明るくはなってくるが、この時期、なぜかほぼ毎日、曇り空が続くのだ。したがって、昼頃になっても、まだ薄暗いことが多い。午後3時を過ぎると、今度は日が暮れ始める。5時にもなると外はまっくらになる。
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だから、スウェーデンでは1日中、キャンドルは手放せない。どこの家庭にいってもだいたいいくつかはキャンドルを置いてあるし、カフェやレストランでは必需品だ。単なるキャンドルではなく、キャンドルの形、香り、キャンドル・スタンドまで、キャンドルのデザインで競い合っているようだ。
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また、スウェーデンのカフェやレストランの店頭には、必ず、Marsaller(マシャレー)が置かれている。これは、いってみれば“巨大キャンドル”みたいなもので、店頭に普通は2つおかれ、営業時間中、燃え続けている。
スウェーデンのレストランは、パッとみただけではレストランとわからないようなところも多い。ストックホルムのオールドタウンには、地下にあるカフェやレストランも多い。そういったところでも、店頭に置かれたマシャレーが燃え盛っているのを見て、それがカフェやレストランというのがひと目でわかるのだ。
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海や湖に囲まれたスウェーデンは「水」の豊かな国として世界的に知られる。首都ストックホルムも「水の都」と形容される。しかし一方で、いたるところで見られる美しいキャンドルライトやマシャレーを見ながら、「火」に対するスウェーデン人の愛着のようなものを感じた。「水の都」ストックホルムは、「火の都」と呼んでもいいかもしれない。
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(2003/11/04)
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