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Story13 「スウェーデンの休暇」
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北欧の夏は短い。気温が20度を常時越えるようになるのは6月に入ってからで、7月、8月でピークを迎え、9月にも入ると、また少しずつ肌寒く感じるようになってくる。実質、「夏」は6月から8月までの3ヵ月間である。その短い夏を大いにエンジョイしようというわけか、スウェーデン人の「夏休み」の取り方もハンパじゃない。 仕事上のミーティングで、7月に入ってから打ち合わせしようと話すと皆そろって怪訝な顔をする。
「え、7月にミーティング?」
スウェーデンでは、7月は基本的に「休み」なのである。別にどこかの会社、あるいは団体の休みということでなく、スウェーデンが休みに入るのだ。
日本でも会社によっては、10日くらいの夏休みを取れるところも、最近は増えているが、全体としてはまだ少数派だ。スウェーデンでは夏休みは3週間〜4週間というのが一般的。したがって、「7月にミーティングとは何事か」ということになるわけだ。
家の近所のMaria Torgetの地下鉄にあるコンビニに、先日ふと立ち寄ると、「7月いっぱいはバケーションによりお休みにいたします。営業再開は8月5日です」という内容の張り紙があった。会社務めの人が4週間休むというのは、わからない話ではないが(いや、それでもちょっと休み過ぎのようにも思えるが)、コンビニまでもが1ヵ月まるごと休むというのは・・・
スウェーデン人の友人と話していると、「夏は暑くてそもそも仕事にならない」という。最近、スウェーデンのニュースを見ていても、今年の夏は例年以上に暑くて、特に老人や病人の体調への影響が懸念される、みたいなことを言っていた。でも、「あつい、あつい」とみんな言っているが、しょせん30度前後の暑さなのである。しかも湿度は日本とは比較にならないほど低い。日本人にとっては、というよりも北欧以外のヨーロッパの国々からきている人々にとっても、こんな快適な夏はないと思うのだが。
しかし、友人の言うように夏が暑いから仕事を休むのではなく、おそらくスウェーデン人は休みたいから休むのだと思う。そんなに仕事ばかりしていてもしょうがないじゃないか、もっと堅くいえば、人間としての基本的な権利だ、みたいな考え方が彼らの人生哲学の根底にあるようだ。
でも、「こんなにみんないっせいに休んで大丈夫なの」という素朴な疑問がある。よく考えれば、世界の第一線で活躍する大企業のエリクソンや、ボルボ、SAABもスウェーデンの企業なのである。日本の大企業などとも凌ぎを削るスウェーデン企業の社員も、しっかりと3週間〜4週間の夏休みはとっているとのこと。この点について、スウェーデン人の友人も「うーん、不思議だね」のひとこと。
もちろん、大企業の社員がみんな一斉に休んでいるわけではないだろうが、やっぱり3週間〜4週間の夏休みをたっぷり楽しんでいるからには、それなりのカラクリがこの社会には存在するに違いない。でも、夏の長期休暇は、スウェーデンだけの話でもないのである。ドイツでもフランスでもイタリアでもそうだ。そう思うと、逆に休みのとれない社会のカラクリみたいなものがあるのかもしれないと感じるようになってきた。
(2003/07/22)
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