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Story11 「ストックホルムでのお酒の飲み方」
スウェーデンというと非常にリベラルな国という印象をもっていたのですが、実際には、いろいろな面で堅苦しいと思われるものがあります。たとえば、アルコール。スウェーデンでビールを注文する際、「ライトビール」、「ミディアムビール」、「ストロングビール」の3種類の中から選ぶ必要があるのですが、日本的な感覚(あるいは非スウェーデン的な感覚)で、ミディアムビールを選んで飲んでみると、なんとなく水っぽい感じがするのです。おや、と思いながら、ビールビンをよく見てみると、3.5%と書いてある。もちろんこれはアルコール度のことです。
日本だと大体が5%、発泡酒でも5%はあると思います。したがって、ビールの中で、「ライト」や「ストロング」といった区別をあまりすることはありません。こちらの方々は非常にアルコール度に敏感で、「ライト」といえば2%前後のビール、「ミディアム」が3.5%、「ストロング」になってようやく日本と同じ5%のビールになるのです。

このアルコール度によって、扱いも大きく変わってきます。「ライト」と「ミディアム」は、スーパーマーケットでも販売できますが、「ストロング」は政府の管理下にあるSystem Bolaget (www.systembolaget.se) という特定のアルコール店かバーやレストランなどの飲食店でしか扱うことができません。また、価格にも差があり、アルコール度が強くなればなるほど、高くなっていきます。

ところで、この「ストロング」を扱うSystem Bolagetは、非常にユニーク、というよりもちょっとやりすぎじゃないかと思ってしまうほど、風変わりなところです。入っていくとまず、まるであたかも銀行のように、待ち受け番号を受け取ります。それから今度は記入用紙。それをよく見ると、アルコール名とコード番号(それぞれのアルコールにコード番号がついている)を記入する形になっています。そして驚くべきことに、ビールをはじめ、ワイン、ウォッカなどすべてのアルコールは、ガラスのケースの中に入っており、みなガラスケース越しにアルコールを眺めながら、用紙に必要事項を記入し、自分の番号がくるまで、列になって待っていなければならないのです。日本にいたころは近所のセブンイレブンで「ストロング」ビールを買っていたものとしては、これは思わず笑ってしまいました。酒屋というよりも完全に役所がアルコールの配給を行っているというイメージです。

いろいろな人の話を聞くと、スウェーデン人は非常に生真面目で、酒はふつう週末にしか飲まないそうです。たしかに日本やアメリカやイギリスなどと比べて、バーなどで酒を飲んでいる人の数は少ないような気がする。私の友人の話では、一昔前は、アルコールに対してのイメージはもっとネガティブで、週初めにSystem Bolagetで買い物をしていると店員に白い目で見られたそうです。ちょっとこそこそとしながら買い物に行くというのは、日本ではアダルトグッズ購入時ぐらいのものかもしれません。
このようなシステムの中で生活すると、特に意識しなくてもアルコールの摂取量は減ってきます。友人数人とあつまって、今夜はうちでちょっと飲んでいこう、ということになっても、6時を過ぎれば、System Bolagetは閉まっています。ということで、結果的にスーパーマーケットにいって水っぽい2%の「ライト」ビールか3.5%の「ミディアム」ビールを飲む羽目になります。ある新聞記事によるとスウェーデンでは肝臓関連の病気が他の国より少ないということですが、そのあたりがこの社会民主主義国家の政策の“効果”ともいえるのかもしれません。

(2002/12/22)


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